今回お話しするのは
完璧な復讐?事件
グラスゴー・アベック殺害事件
です。
自分の親族を殺した男たちへの完璧な復讐?殺人事件です。
グラスゴー・アベック殺害事件とは?
グラスゴー・アベック殺害事件は1957年のスコットランド、グラスゴー市で発生した事件の総称。
アベックは今現在は死語ですが、「二人の男女(カップル)」を意味する言葉です。
なので、「グラスゴー市で発生したカップル殺害事件」と言い換えることが出来ます。
ですが、事件はこれだけでは終わらず「加害者全員が不審な事故死」した事件でもあります。
- 被害者: 2名(両方死亡)
- 加害者: 3名(全員死亡)
- 犯人は加害者の親族か?
グラスゴー・アベック殺害事件の流れ
ここではこの事件の一連の流れを見ていきたいと思います。
- 事件の始まり
- カップルの殺害
- 不明な犯人像と遺族を名乗る男
- 完璧な口裏合わせ
事件の始まり
1957年スコットランドのグラスゴー市。
国立大学の薬学部に所属していた2人の大学生カップルがいた。
大学の卒業後には結婚をする約束もしており、その日はバイト後に待ち合わせをして帰る予定であった。
2人はバス亭のある道に出るために大通りに出ようとしていた。
その時、遠くからベロベロに酔っぱらった3人の20代の男が近づいてくるのが見えた。
男たちは大声で喚きながら近づいてくるので、危険を感じた2人は注意しながらバス停に向かっていった。
だが、3人は彼女たちの前に広がって立ち塞がったのであった。
カップルの殺害
2人は身の危険を感じて横を急いで駆け抜けようと車道に降りた。
だが、3人の男の1人が彼女の髪を掴んで逃げないようにした。
女性が悲鳴をあげると、その男は女性の頭を鷲掴みにして引き倒した。
彼氏は彼女に駆け寄ろうとした時、男の1人が酒瓶で彼氏の頭を殴った。
膝をついた彼氏の頭をさらに数度殴り、最期の一撃で酒瓶は割れてしまい、彼氏は完全に死んでしまった。
彼氏を殺害した男たちは怯えて動けなくなった彼女の両手足を担ぎ、表通りまで運び、走ってくるバスの前に放り出して殺害し、その場から逃走したのであった。
- 彼氏: 脳挫傷で死亡
- 彼女: 全身多発性損傷で死亡(バスに撥ねられた)
被害者の身内?と犯人特定
逃げた3人の男を特定する為に警察も捜査を開始。
ただ、女性を撥ねてしまったバスの運転手はショックで犯人を覚える余裕もなかった。
その他の目撃者も複数人存在したが、彼女たちの悲惨な姿の方に目が行っていた。
その為、犯人たちの様子は
- 騒々しい
- 酔っ払い
- 下品
- だらしない服装
というありきたりの特徴しか覚えていなかった。
そうこうしている時のカップルたちの葬儀の日、喪服姿の長身の男が現れた。
彼は同席していた捜査員に近づいてきて、丁寧に自己紹介をしたあと「弟殺しの捜査はどのくらい進展していますか」と尋ねた。
男はドクターSと名乗り、殺害された彼氏の兄でシカゴ警察検死局の病理学者であったという。
実はこちらに着いてからの4日間で独自の調査をした結果、犯人の1人を発見したと思います。
その独自の捜査結果に基づき、3人のうち1人の内偵調査をした結果、他2人の身元も判明。
犯人達の完璧なアリバイ
3人とも前科持ちの札付きのワルであったので警察は3人を尋問。
事件当夜のアリバイについて問いただした。
ただ、3人は事前に口裏合わせをしていたかのように、お互いに完璧なアリバイを証言しあったのであった。
この不自然な完璧さに捜査員は彼らの犯行を確信したが、アリバイがある限り釈放せざるを得なかった。
その数日後、ドクターSはグラスゴー警察の上層部にかけあい、事件の唯一の遺留品である酒瓶の調査を申し出た。
この酒瓶は彼の弟を殴り殺した凶器ではあった。
しかし、酒瓶は割れており証拠にはならないと判断が下されていたものであった。
男達の不審死の始まり
この男性がその遺留品を受け取った数日後から、アベック殺害事件の犯人たちが次々と死んでいった。
1人目 | この10日後にクライド川で水死体で発見。 死因は溺死で争った形跡はなかった。事故死で処理された。 |
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2人目 | 1人目の3日後にアルコール中毒で死亡。 |
3人目 | 2人目の2日後に勤め先の食肉問屋の大型冷蔵庫で凍死。 争った形跡はなく、事故死として処理された。 |
身内による復讐か
この段階で事件の捜査員はこう確信した。
この容疑者たちの連続死は「ドクターSの仕業」に違いないが、3人の死は完全に事故死である。これは疑いようのない事実である。
ただ、3人の男の死に事件性がない「死亡事故」では捜査を行うことはできなかった。
復讐であれば、完璧な殺害事件をこのドクターSは行ったのであった。
ちなみに、彼は次男の死による心痛で倒れた母親が回復するのを待つためにシカゴに帰っていったという。
事件を担当した捜査員の言葉
この事件を担当していた捜査員はこのドクターSが行ったであろう復讐に対し、以下のような言葉を残しました。
一切の手掛かりを残さずに犯人を葬り去った犯罪者を賞賛するつもりは毛頭ありません。しかし、彼はその例外中の例外でしょう。
犯罪者を賞賛するつもりはないが、1人の人間として肉親の復讐を果たした男への賛辞の言葉なんでしょう。
ですが、3人の命が奪われたことに変わりはないことは忘れてはいけません。
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まとめ: グラスゴー・アベック殺害事件
見事な完全犯罪とも言えますね。
本当にドクターSが殺しているのかは不明ですが、偶然にしては出来過ぎているので十中八九彼が殺害したのでしょう。
まるでドラマのような完璧復讐殺害事件ですが、本当に許されるのか・・・・・・。
という訳で今回のまとめ
- グラスゴー・アベック殺害事件は1957年に発生した殺害事件
- スコットランドでカップルが3人の男に惨殺された
- 犯人は全員口裏合わせで完璧なアリバイがあった
- 3人の男は全員事故死した
- 被害者の長男(ドクターSと名乗った)が3人の男を殺害か?
- ドクターSは疑われたが、捜査はされなかった
↓イタリアで発生したアベックが殺害された事件