今回お話しするのは
未成年による惨殺事件
名古屋アベック殺人事件
です。
少年法の改正にも大きく影響を与え、この年に起きた女子高生コンクリート詰め事件など、未成年による大きな犯罪が2件立て続けに起きた年でもあります。
名古屋アベック殺人事件とは?
名古屋アベック殺人事件は1988年2月に、名古屋で発生した殺害事件。
アベックというのは死語で「カップル」の意味で、2人のカップルを犯行当時未成年の不良グループが惨殺。
男性を殺害、女性を監禁・強姦・殺害した末、2人を埋めるという残酷行為を行った。
だが、加害者は当時未成年という事もあり、殆どが軽い罪で済まされた。
また、この事件の年の年末には女子高生コンクリート詰め殺人事件が発生した
- 被害者: 2名
- 犯人: 6人
【女子高生コンクリート詰め殺人事件】未成年が引き起こした胸糞な事件の詳細と犯人の現在は?
事件における被害者と加害者たち
名古屋アベック殺害事件には、2人の被害者と6人の加害者が存在します。
人物 | 人物像 |
被害者 Aさん | 事件当時19歳 理容師の男性 |
被害者 Bさん | 事件当時20歳 理容師見習いの女性 |
加害者 C | 主犯格の男 当時19歳のとび職 |
加害者 D | 犯行グループの1人 犯行当時唯一の20歳 |
加害者 E | 犯行グループの1人 犯行当時17歳のとび職の男 |
加害者 F | 犯行グループの1人 犯行当時17歳の無職の男 |
加害者 G | 犯行グループの1人 犯行当時17歳の無職の女 |
加害者 H | 犯行グループの1人 犯行当時17歳の無職の女 |
とび職:建設業における高所での活動を専門にしている人たちのこと。肉体労働かつかなり危険な仕事でもあるため、気性の荒い人も比較的多い。
名古屋アベック殺人事件: 犯行グループ
名古屋アベック殺人事件の犯人グループは「バッカン」という行為を繰り返していた。
カップルを襲っては金品を強奪するという行為であり、事件当日も名古屋市港区の金城埠頭布巾で2台の車を襲い、計8万6000円余りを強奪していた。
そのまま勢いづいたグループは、デートをしているカップルの車を物色。
偶々見かけた大高緑地公園の駐車場で、Bさんの車に狙いを定めたのが事の流れ。
名古屋アベック殺人事件の流れ
この事件が発生してからの流れを話していきます。
- 1人目の被害者
- 2人目の被害者
- 2人の殺害と証拠隠滅
順番に見ていきます。
1人目の被害者
犯人たちは木刀や金属バットで車の窓ガラスを殴り外に出るように命令。
外に引きずりだしたAさんを殴り、「金を出せ」と言い始めた。
Aさんは木刀で殴られ頭を押さえその場に座り込んだが、犯人たちはAさんの全身を滅多打ちに殴打。
Aさんは気を失ってしまったが、その後GとHが木刀でAさんの腕を殴打。
ハイヒールで頭を殴打し、「正座しろ」と命令し正座させてさらに全身を木刀で殴打。
Aさんは殴られるたびに左右に手を付いてしまったが、Dが右足で蹴るなどの暴力をふるった。
2人目の被害者
BさんはGとHからシンナー入りの袋で頭を殴打され、髪の毛を強く引っ張られながら車から引きずり降ろされた。
そして、ハイヒールで足や背中、腹などを多数回蹴りつけられた。
シンナー入りの袋が破れてシンナーがBさんの頭にかかった時は、「シンナーが無くなった」などの因縁を付けられたりもした。
さらに両腕や背中を木刀で殴られ、「裸になれ」と命令され服を脱がされた。
この時、Bさんはさらに両腕を殴られていた。
被害者2人の拉致
2人はこのような暴力を30分近く浴び続けた後、Bさんは強姦された。
- 煙草のやき入れ
- ライターを使った性的暴行
など、人としての尊厳を奪うような性的暴力を行った。
Aさんも
Bさんだけは助けてほしい
と懇願しましたが無視され、腹を蹴られるなどの暴力を浴びせられました。
残虐な行為が1時間行われた後、犯人たちは信じられないことを言い始めた。
警察に行かれると困る
だがそれ以上に信じられないことを、犯人たちは言い始めた。
「車(Aさん)の修理代はどうしよう」
「俺、金無いよ。どうやって弁償するの?」
「顔は見られてるから男(Aさん)はケガもひどいから殺そう。女(Bさん)はどこかに売り飛ばそう。無理な時は女も殺そう」
口はかなり悪くなるが鬼畜の発言と同じ人間と思えない。
同じ人間とは思えない鬼畜の所業である。
被害者2人の殺害と証拠隠滅
こうして、Aさん及びBさんは、一旦名古屋市内のホテルに拉致・監禁された。
その間に、Bさんは犯人グループから性的暴行を受け、Aさんは苦しめられながら殺害された。
Aさんが殺害された間にも、Bさんは性的暴行を受けたりしていたが、犯人たちはこの行為を楽しんで行っていたという。
その後、Bさんも殺害された。
犯人たちは、身元が分からないように身分証やキャッシュカードを奪い、自分たちの車を洗い、AさんとBさんを埋めるなどして証拠隠滅をした。
名古屋アベック殺人事件: 裁判と判決
犯人たちは逮捕され、名古屋地裁で以下の判決を受けた。
Cは公判当初、以下のように吹聴していたという。
俺は未成年だから、死刑にはならない。少年だから罪は軽い
- Cは死刑判決
- Dは懲役17年
- Eは無期懲役
- Fは懲役13年
- Gは懲役5~10年
- Hは懲役5~10年
という判決になり、Cは死刑判決を受けた時「えっ」と非常に驚いていたという。
しかし、その後の再公判で以下のように判決が言い渡された。
- C: 「更生の余地あり」として「無期懲役」
- D: 「更生の余地あり」として「懲役13年」
とまさかの減刑となった。
事件における未成年保護法と目的
名古屋アベック殺人事件において事件当時,加害者たちは全員実名報道がされませんでした。
なぜか?
1980年代でも2000年に入ってからも少年法の主な目的は
少年たちの更生
です。
もしマスコミが少年たちを顔つき写真の実名報道をすれば、彼らが出所した後の生活に影響を及ぼします。
そうなった時に、「また犯罪を犯す」といったことを予防するため、報道では「顔も名前も公開しない」といったのが原則です。
もちろん、今はSNSの時代で未成年であろうがなかろうが、ちょっとした犯罪を犯せばすぐに顔写真と名前とその周辺が特定されます。
ある意味で私刑なのかなと思います。
ですが、1980年代はネットも普及していなかった時代で、情報を流すのはマスコミや週刊誌のみ。
そんな状況下で、犯人たちの顔写真も実名も報道されなかったんです。
名古屋アベック殺人事件: 犯人たちの現在
その後の名古屋アベック殺人事件の犯人の簡単な近況を述べておきます。
把握できている段階です。
人物 | 近況 |
主犯格C | 2018年2月時点では岡山刑務所内の工場で金属部品の加工を行ったりしている。 Cはこの事件のことを後悔しており、「自分のような犯罪者を減らすように努力したい」などと述べている。 |
D | 行方をくらまし遺族への賠償金も支払わず、Dの両親の親権放棄の調停の席にも姿を現さなかった。 |
E | 両親が賠償金を支払う意志がなく、加害者家族の集まりにも一回も顔を出さないという有様。 |
F | 現住所は隠したまま、結婚して妻子を設けて平穏の生活を送っているのとのこと。 Fは「事件にばかり引きずられるのもあれなので前に進める」、「墓参り?時間がないので難しい」など反省どころか自分勝手な意見のみを答えている。 |
G | 賠償金は初めの数回支払ったのみで、2000年に出所後に知り合った男性と結婚したが2001年に離婚。 2003年8月の時は水商売で働いていた。 |
H | G同様賠償金は少し支払ったのみ。 出所後知り合った男性と結婚したが離婚、その後は別の男性と再婚し子供をもうけて共働きしているとのこと。 |
本当に事件のことを反省しているのは1~2人程度で、その他は逃げるか事件のことを振り返るのが嫌といった感じ。
なるほど、立派に更生出来ましたね。
- 少年だからという軽い気持ちで人殺しという犯罪に走り
- 事件で2人の尊厳を奪うような殺し方を行い
- 女性を強姦するという女性としての尊厳を奪い
- マスコミからは少なくとも守ってもらい
- 形だけでも反省しておけば罪を減刑してもらって
- 10年近く国の税で守られて出所してからは、被害者遺族から逃げるように隠れて自分たちは幸せに生きる
少々、私情が入ってしまいましたが、これが「立派な更生」なんでしょうか。
確かに、世の中の役に立っている犯人もいるでしょうし、感謝されている人もいるでしょう。
ですが、この結果が当時の弁護士たちのいう「立派な更生」なんでしょうかね。
少年犯罪に対して思うこと
今回この事件を紹介しようと思ったのは、日本でこのような凶悪犯罪が起きているという事を忘れてはいけないからです。
被害者の家族も悲惨な人生を送っているので悲しみと怒りしか出てきません。
言い方はかなり悪いですが、未成年保護法という法律がこういった犯罪を許してしまったという最悪な事件です。
もちろん、管理人は未成年が犯罪を犯してしまったことに対して保護法は大事だとは思います。
しかし限度はあります。
今回の犯罪は犯行の詳細がすべて正しいかは分かりませんが、少なからず善悪の判断はついていたはずです。
まして17歳や18歳なんだからなおさら区別や判断能力はあったはずです。
「未成年だから守られている」
「未成年だから大した罪にならない」
このような考え方が、こういった事件につながったと思うと胸糞悪い事件です。
私は「少年法によって世間的には守られている」が「ネット上では死刑されている」と思います。
少年法で守られていても、今の世の中ではSNSによって加害者たちの個人情報は鬼のように晒され、社会に出ても直ぐに身バレします。
もしこの記事を読んでいる方で、未成年の方は必ずこう思ってください。
「少年法には守られるが、SNS、ネット上では未成年であろうが死刑宣告を受けている」
「一度晒されたら最後、二度とまともな人生は送ることが出来ない」
と。
まとめ: 名古屋アベック殺人事件
今回は日本の未成年犯罪の中でTOPに連ねる、名古屋アベック殺人事件について紹介させていただきました。
未成年保護法も厳しくはなりましたが、まだまだ未成年による犯罪は多くあります。
軽い気持ちであろうが、犯罪には絶対に走らないでほしい。それが私の願いです。
今回のまとめ
- 名古屋アベック殺人事件は1988年に発生した未成年殺人事件
- 6人の不良グループがカップルを殺害
- 「バッカン」という「カップルからのカツアゲ」を行っていた
- 男性と女性をそれぞれ殺害、証拠隠滅を図った
- 全員逮捕されたが、少年法により罪は減刑された
- 主犯格の男は無期懲役だが、それ以外は懲役10年前後
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