今回お話するのは
未解決事件
平塚5遺体事件
です。
平塚5遺体事件とは?
平塚5遺体事件は2006年に、神奈川県平塚市のアパートにおいて、5人の遺体が見つかった事件。
恐ろしいことは、この5人の遺体が発見されるまで、容疑者の女がこのアパートに一緒に住んでいたこと。
特に、3人の遺体の身元のうち
- 1人: 1984年に行方不明になった容疑者の息子
- 2人: 容疑者が1990年ほどに産んだ新生児
容疑者が20年近くに渡って、自分の亡き子供と一緒にいたという常軌を逸した事件。
ただ、「何故殺したのか?」は不明と、ある意味未解決事件となった事件。
- 死者: 5人
- 容疑者: 懲役12年
事件の容疑者: 岡本千鶴子
平塚5遺体事件の容疑者が岡本千鶴子。
年 | 来歴 |
1951年 | 青森県で誕生。 その後1955年に父親が死去し、母親は再婚。(61年に離婚) |
67年 | 北海道で集団就職したが、翌年に実家に戻る。 |
70年 | 奥尻島の男性と結婚し、3人の子供を出産。 夫の親族と不仲になり、自殺未遂を図り、行方をくらます。 夫は93年の奥尻島津波で死去。 |
75年 | 神奈川県の秦野市のキャバレーで働き、No.1ホステスとなる。 |
78年 | 平塚市宮松町の蕎麦屋店主の男性と知り合い、男性の妻を追い出す形で同居。 山内峰宏さん(追い出された妻の子供)も同居していたが、ご飯を食べさせないなどのいじめをしていた。 この年、利英君を産む。 |
84年 | 借金を重ねる。 この年に、6歳となった利英君が行方不明となる |
86年 | 被害者: 岡本利加香さんを産む。 |
97年 | 夫が56歳で死去したことをきっかけに、経営を知り合いに譲る。 |
01年 | 山内峰宏さんが、事件の現場となった平塚氏のアパートに住み始める。 |
3~6年 | 近所の住民や、実家の母にお金をせびるなどしていた。 利加香さんと共に、家賃滞納によりマンションを退去。 山内さんのアパートで同居か。 5年に利加香さんを殺害し、6年に山内さんが自殺。 事件が発覚。 |
最後の方が少し流しになりましたが、容疑者の来歴はこうなります。
平塚5遺体事件: 事件の流れ
ここから、この事件の一連の流れについて紹介させていただきます。
- 1984年: 容疑者の子供の行方不明
- 2006年: 5人の遺体発見
- 本当に殺害か?自殺か?
の順番で見ていきます。
1984年: 容疑者の子供の行方不明事件
1978年に岡本千鶴子容疑者が産んだ当時6歳の男の子「利英」君が、自宅前で遊んでいたところを最後に行方不明となった。
母親は警察に捜索願を出し、以下のように周囲に話していた。
買い物から帰ったら息子が行方不明になっていた
同じ年に男児が行方不明となった「城丸君事件」もあり、千鶴子はTVに出演するなど大々的な捜査が行われたが、成果はなかったという。
(母親が殺害して遺体を隠したのであれば、あまりにもイカレタ言動である。)
2002年ごろからは以下のように主張するようになった。
息子は北朝鮮によって拉致されたんだ
北朝鮮のせいにすれば、様々な機関からの支援を受けれると考えたのだろうか。
本当であれば、北朝鮮に誘拐された子供たちの親族に対する侮辱である。
2006年: 5人の遺体発見
2006年5月に神奈川県平塚市のアパートに、亡くなった男性「山内峰宏」さんの母親が訪れ、事件が発覚。
警察の捜査により
- 5月1日: 岡本利加香さん、山内峰宏さん
- 5月2日: 2人の乳児、1人の男児
の計5人の遺体が発見されたという。
捜査が始まった当初は「無理心中」と疑われたが、同年3月から行方不明になっていた岡本千鶴子の犯行として逮捕された。
本当に殺害か?それとも自殺か?
岡本利加香さんが死亡したのは、彼女が当時行っていたmixiの日記。
この更新が途切れた2005年10月12日、つまり遺体発見の約半年前程に死亡したという。
逮捕された千鶴子容疑者曰く
山内峰宏さんが利加香さんを強姦して殺害。その責任を取って自殺した。
という、山内さんが近親相姦をして殺害したという、あくまでも自分のせいではないという・・・。
さらに、山内さんの「利加香さんと一緒になりたい。死にたい。」と綴られた遺書らしきものもあったので、山内さんの殺害からの自殺と思われた。
ただ、遺体があった室内には「娘を殺してしまった」という千鶴子のメモがあった。
さらに、利加香さんが死亡した後、友人に「入院している」という生存を偽装するようなメールが送られたこと。
これらが判断材料となり、千鶴子容疑者による犯行と疑われた。
被害女性: 岡本利加香さん
被害女性の岡本利加香さんは岡本千鶴子容疑者の実の娘。
明治大学の演劇サークルに参加しており、メンバーからは
とても明るく、いるだけで場が華やぐ人だった
という物凄く評価の高い人物であったという。
しかし、彼女が参加していたmixiの日記には親への愚痴などが綴られていました。
「自由がほしい。そんな監禁状態な生活、ひっきー(ひきこもり)です」
などと書いており、日記が途切れる前の10月6日と12日には
10月6日: あぁぁもうだめだほんとむかつく。親もうざいし自分もうざいしいらいらいらいら
10月12日: 友達って難しいな。今年に入ってなんかおかしいよ……もうやだ
と記されており、この投稿が最後となった。
山内峰宏さんとの関係
異母兄弟にあたる岡本利加香さん。
父親違いの姉の証言によると
利加香と峰宏は私から見て仲のよい兄妹。峰宏はおっとりしてて、優しい子。利加香は純粋で努力家。彼女の口から死にたいとか言ってるのは聞いたことがない
また、2人の間に特別な感情があるのかどうかという話については
峰宏が利加香に恋愛感情を抱いてると思ったことはないです。被告人と会った時『峰兄ちゃんが利加香にいたずらした。利加香が自殺しようとしたから手助けした』と言ってたのを聞きましたが、ありえないって思いました
と、千鶴子容疑者の話を強く否定するほどです。
事件の裁判
ここでは平塚5遺体事件の裁判についてお話をさせていただきます。
- 被告の不自然な言動
- 1984年の長男の件
- 事件の判決
この順番で見ていきます。
被告の不自然な言動
法廷に出廷した岡本千鶴子容疑者。
彼女のその時の様子は逮捕時の恰幅のいい姿ではなく、
- すらりと痩せている
- 白髪交じりの肩までの神
- ゆったりとした黒のブラウスとパンツ
と、目鼻立ちのクッキリと整った美人の雰囲気を漂わせていたという。
弁護士に対しては饒舌に話していたが、検察側の質問にはまともに答えなかった。
それどころか、態度を豹変させて権力批判
言いたくありません。何についても、私は警察を信用してませんから。だから私は殺人という罪を償うつもりはありませんでした。裁判もキライ
と正直無理ある理論を展開させた。
1984年の長男の件
彼女は1984年に失踪した長男の件に関してもよく分からない理論を展開
私は長男が失踪したときから警察に不信感を抱いています。警察が捜査をしてくれなかった・・・。私がキャバレーに勤めてたって、それだけで判断されました・・・・そういう女だと!
思い出してほしいのは、「長男の遺体が発見されたのは千鶴子容疑者が住んでいたアパートの部屋」。
行方不明になった男の子が死んで、その遺体が偶々そのアパートにあったのか・・・・。
警察が悪い扱いしたいのでしょうが、そもそも無理がある話では?
事件の判決
- 5月23日: 利加香さん殺害の件で起訴
- 8月21日: 初公判で「自分は殺していない」と主張
- 10月2日: 第二公判で「山内峰宏さんが真犯人だ」と主張
- 2007年5月21日: 懲役17年を求刑される
となっていたが、2007年7月23日に横浜地方裁判所が
遺体を長期間放置し、周囲に利加香さんの生存を装うなど不自然。母親としての情愛を感じられない冷血な犯行。山内峰宏さんに利加香さんを殺害する動機はない
として、懲役12年が言い渡されました。
その後、千鶴子容疑者は控訴しましたが東京高等裁判所が棄却し、懲役12年が確定。
犯行動機も乳児や長男の不審死の真相が分からないまま、事件は一応の幕を閉じたのであった。
まとめ: 平塚5遺体事件
今回はある意味で未解決事件の平塚5遺体事件について紹介させていただきました。
自分の母がもし、こんな感じな人間だったら・・・・・悲しすぎます。
動機は不明ですが、2019年には出所しているでしょう。
という訳で今回のまとめ
- 平塚5遺体事件は2006年に発覚した事件
- 平塚氏のアパートの一室に5人の遺体
- 3人は20年以上前に死亡した子供であった
- 5人の母に当たる岡本千鶴子が遺体を残していた?
- 容疑を否認(犯行動機等は一切不明)
- 懲役12年を言い渡された