今回お話するのは
神隠し的な失踪事件
広島一家失踪事件
です。
広島一家失踪事件とは
広島一家失踪事件とは2001年(平成11年)6月4日に発覚した事件。
広島県世羅町という、岡山県との県境に近い山間の町で不可解な事件が発生。
一家の妻が中国への社員旅行の出発日だったにもかかわらず現れなかったので、同僚が家を見に行ったことで発覚。
一家は忽然と姿を消し、金に困ることも恨みを買うような一家でもなかったことから、神隠し的な事件だった。
その1年後に一家は遺体で発見され、事件性はなく無理心中と判断された。
だが、その無理心中の理由は不明という、未解決な事件。
- 犠牲者: 4人と1匹
- 動機: 無理心中
- 無理心中の理由: 不明
失踪した山上一家
・レオ
山上一家の愛犬・シーズーで「ヤマガミレオ」と書かれた赤い首輪をしていました。
失踪した日の流れ
2001年6月4日、この日は妻・順子が勤める会社の中国への社員旅行の出発日だった。
しかし、順子さんは集合時間になっても姿を見せなかった。
心配に思った同僚が順子さんの家を訪ねた所、一家が忽然と姿を消していたことに気が付いた。
妻のJ子さんは旅行を楽しみにしていたこともあり、ただ事ではないことは明白であった。
親族からの捜索願を受け、広島県警甲山署は機動隊やヘリコプターを動員して付 近を捜索するも、一家の姿を見つけることはできなかったという。
一家失踪の不審な点
山下さん一家はかなり不審な点が多かった。
- 玄関の鍵は閉まっていたが、勝手口の鍵は開いていた
- 侵入の形跡、争った反応、血液反応などもなし
- 旅行代金・定期預金通帳もそのまま
- 順子さん・千枝さんの携帯電話、免許証もそのまま
- 妻の社員旅行用の鞄がそのまま
- 玄関には4人分のサンダルはないが、靴はそのまま
- 電気は点けっぱなし
- 朝食に虫よけネットをかけた状態準備されていた
まず、近所は争った物音は聞いていないということ。
仮に誘拐だとしても、鳴き声を出す可能性が高い犬も一緒に連れ出すのは考えにくい。
拉致や強盗の線は薄いとすると、「自らの意思で失踪した」ということになる。
いつ一家は行方不明になった?
事件性がないのであれば、一家はいつ失踪したのか?
その推測が出来るのが、千枝さんの行動である。
失踪の前日、彼女はPTAの球技大会と竹原市内での親睦会に出席。
午後9時半ごろに同僚を車で送り届けて、母順子さんと「化粧品を実家に取りに行く」と連絡をしている。
そこまでは分かっている。
その後、10時50分ごろにはドアが閉まる音を近所の住人が聞いている。
(千枝さんが車を降りた音か、政弘さんが乗った音かは不明)
そして翌午前4時ごろに、新聞配達員が訪れた時には既に政弘さんの車はなかったという。
3日の深夜~4日未明
この辺りで失踪したということが推測される。
失踪から1年後
地元世羅町では、近くの大将神山で起きた神隠しになぞらえこの事件を語る者もいた。
山には「お夏の墓」があり、そしてその大将神山は、山上家が以前まで所有していた山というのである。
しかし、失踪から1年が経過した2002年9月7日に事態は一変。
同じく世羅町にある京丸ダムの湖底で、通行人が裏返しになって車が落ちているのを発見。
車のナンバーから政弘さん所有の車と判明し、車内からは4人と愛犬の遺体が見つかった。
遺体は損傷が激しくほぼ白骨化していたが、歯型の鑑定から山上政弘さんの一家4名であると確認。
雨不足によって水位が減少したことが、車の発見に繋がったのである。
警察は無理心中と判断
警察は
- 遺体に目立った外傷がない
- 車のキーがささったまま
- 転落したと思われる場所の入り口には車止めがある
- 誤って侵入する場所ではない
- 関係者への事情聴取
このことから、事件性はないと判断できる理由を得たことで、
と判断した。
無理心中の動機は正式には公表されていないが、地元では語られているらしい。
とはいえ、いくつか疑問点も残る。
- ダムに飛び込むまで家族は抵抗しなかった(睡眠薬で眠っていた?)
- 車の窓が開いていたのに逃げなかった
- なぜ朝食の用意をしていたのか
- 千枝さんまで無理心中する必要性はあったか
無理心中の原因は?
順子さんは「夫が思いつめた様子だった」と生前語っており、何かしらあったという。
ただ、それが何に対してなのかは分かっていない。
- 浮気説
- 借金説
- 第三者とのトラブル説
などなどが挙げられております。
浮気説
政弘さんを幼い頃から知っているという親戚によると、
また、このころ妻の順子さんは浮気をしていたという話が出ていた。
もしこの説が正しいのであれば、浮気からの無理心中というのも分からなくはない。
ただ、それでも他の家族を巻き込んで迄無理心中したのか?
という疑問は残る。
借金説
政弘さんには兄弟がいるとのこと。
この兄弟が事業に失敗して多額の借金を負い、その取り立てが保証人でもない政弘さんのもとにまで来ていたとの話もある。(兄弟が保証人の名前に政弘さんの名前を使ったのか)
政弘さんの親族は、失踪前の政弘さんは
- 妻の浮気の噂
- 自分の元にまでやってくる兄弟の借金取り
この2つに悩まされていた、と語っていたそうです。
取材に対して政弘さんの兄弟は「借金など無い」と否定していた。
ただ、借金の話が本当であれば名家の家長でもあった政弘さんには、相当な悩みの種であったと考えられる。
また、失踪前の政弘さんは兄弟の借金を払うため、先祖から山上家の田畑を売っていたそうです。
第三者とのトラブル説
これは本当にどこから生まれたの?程度の噂レベル。
日○組のトラブルに巻き込まれたのではないかという説。
広島県東部の、特に世羅町の日○組にはトラブル話が絶えず、平成11年には県立世羅高校の校長が自殺し、様々な問題が浮き彫りになりました。
「広島一家失踪事件」の長女、千枝さんもこの地域で教師として働いていました。
噂では千枝さんも日○組絡みのトラブルに巻き込まれ、心中に追い込まれたのではないかといわれています。
まとめ: 広島一家失踪事件
借金と浮気説が正しいのであれば、無理心中というのも理解はできます。
真相は結局不明のまま、警察も無理心中として処理しています。
この場合、容疑者不詳のまま書類送検されると言われていますが、世間も騒いでいたのに公表されなかったのは、闇が深そうに思えますね・・・。あくまで個人的な感想ですが。
- 広島一家失踪事件は2001年6月4日に発覚した事件
- 一家が生活の跡を残したまま忽然と失踪
- 神隠し事件として話題になったが、一家は見つからなかった
- 1年後ダムの湖底で車と一家が発見
- 警察は無理心中と判断し処理
- 妻の浮気の噂、兄弟の借金が重なり一家心中を図った?
- 心中の動機は不明のまま実質未解決事件となった