今回紹介するのは
暴力で支配しようとした男
石巻3人殺傷事件
です。
フラれたら好きでも切り替える強さも大事です。
石巻3人殺傷事件の概要
石巻3人殺傷事件は2010年2月10日に発生した殺人事件。
犯人は事件当時一応未成年であり、元交際相手の女性を巡って起こした殺傷事件。
女性の親族・知人の3人が被害に遭いましたが、女性本人は無事でした。
少年は未成年ということもあり「懲役刑」で終わるかと思いきや、死刑判決が下った少ない例です。
- 死者:2名
- 重傷:1名
石巻3人殺傷事件: 犯人「千葉祐太郎」と関係者
この事件は主に
- 犯人「千葉雄太郎」
- 元交際相手
- 犯人の共犯
それぞれ見ていきましょう。
犯人の「千葉雄太郎」の生い立ち
犯人の千葉雄太郎は1991年に誕生。
5歳の時に両親が離婚し、母の方と一緒に暮らすようになった。
1997年には母は再婚し、妹が生まれたが2001年にまた離婚し、別の男と交際を始める。
だが、母はこの男から暴力を受け、怪我やアルコール依存症で入退院を繰り返すようになる。
また、このころから千葉死刑囚は母親から暴力を振るわれるようになっていった。
2002年に祖母宅へ預けられたが、このころから暴力的になっていき祖母や母親を「すっきりする」という理由で暴力を振るようになっていく。
2008年に被害女性と交際を始めるが、典型的なDV彼氏となっていく。(母も同じことをしていたので自分は間違っていないと思っていた)
2009年に女性との間に女児を設けたが、定職には就かなかった。
元交際相手
女性は前述した男性と2008年8月に友人を通して交際を開始。
そこからもDVに悩まされていて、別れを切り出すたびに「ダンベルで殴られたり首を絞められたり、たばこを押し付けられたりした」と話していたそうです。
そして、子供が出来た後は実家の南部さんの家に娘を預けていた。
だが、千葉雄太郎はその実家にまで押し入って娘を連れ去ろうとしたこともあったとか。
犯人の共犯者
犯人の共犯として立件逮捕されたのが当時17歳の無職の少年。
千葉雄太郎から犯行に使われた凶器の万引きや、殺し方の指示をされたりしていた。
犯行も「お前がやれ」と命令されて、拒否することはできなかったという。
それでも拒むと千葉雄太郎が犯行を行った。
ただ、この少年が行ったかのようにしようと、
- 凶器に指紋を付けさせる
- 服を奪って返り血を浴びないようにした
など、事件の主犯格に仕立て上げられていた。
彼は「(千葉雄太郎と)一緒にいる時間が人生で最も苦痛な時間でした」などと証言している。
石巻3人殺傷事件: 事件の流れ
この事件における事件の流れを見ていきましょう。
千葉雄太郎は以下「T」としておきます。
- 事件前の警察対応
- 事件発生
- 女性の誘拐・監禁
この順番に見ていきましょう。
事件前の警察対応
事件が発生する前に12回少女からDV相談を受けて、Tに対して近づかないように2回直接警告していました。
そして、事件前日も少女から通報を受けていました。
この時、Tは警察が駆け付ける前から立ち去っています。
そして、少女は診断書及び被害届を出すため、事件当日の日に提出する予定でした。
事件発生
そして、2010年2月10日の午前6時40分ごろのこと。
石巻市内の少女の実家の家にTと共犯者が押し入った。
家の2階で寝ていた少女の姉と友人の女子高生を刃渡り18㎝の牛刀で複数回刺して殺害。
さらにその場にいた当時20歳の知人男性の右胸を刺し重傷を負わしてしまいました。
女性の誘拐・逮捕
犯行後、少女の左足を刺して誘拐。
無理矢理車に乗せてから現場を去り、車を変えて逃走するも同日の午後1時すぎに少年2人は身柄を拘束。
少女も軽傷で無事保護されました。
2人の死者と2名の重軽傷者を出して、この事件は一旦の幕を閉じました。
石巻3人殺傷事件: 裁判とその判決
では、この事件の裁判がどのように流れて、どのような最終判決が下されたのか見ていきましょう。
- 第一審
- 第二審
- 最高裁
の順番です。
2010年: 第一審(死刑判決)
一審判決は死刑判決を下されました。
その判決理由としては
1: 少女を連れ戻すために邪魔なものを殺害したことは「強盗殺人」に類似した側面のある重大事案。
2: 更生の可能性は著しく低い。少年であったことが死刑回避期の決定的事情とは言えない。
3: 犯行の残虐さや結果の重大性からすれば、被告の罪の重さは誠に重大。極刑を回避すべき事情があるとは評価できず。
当然この判決に弁護側は不服と視控訴。
2014年: 第二審(死刑判決)
この1審の判決から約3年後の2014年1月31日。
仙台高裁は1審の死刑判決を支持。
1: 若く将来ある2人の命が奪われたことは極めて重大で、被告の身勝手かつ短絡的な動機は許されることではない
2: 犯行状況や重大性を考慮すれば更生の余地は著しく低い。当時少年であったことが死刑回避の決定的事情とは言えない。
3: 被告の家庭環境や当時の年齢を考慮しても極刑は免れない
と1審の死刑判決を支持して弁護側の控訴を棄却しました。
2016年: 最高裁(死刑判決)
そして最高裁となる判決も1審2審の判決を支持して死刑判決。
1: 殺害行為の態様は冷酷かつ残忍
2: 極めて身勝手で短絡的な犯行。死刑回避の理由にはならない
3: 当時少年だったとはいえ、執拗で残忍な犯行であり、その結果は重大である
として、千葉雄太郎の死刑判決は確定しました。
千葉雄太郎は2016年では仙台拘置支所に収容されているとのことです。
まとめ: 石巻3人殺傷事件はこんな事件
今回は未成年の犯罪の石巻3人殺傷事件を紹介させていただきました。
少年保護法が改定されてますが、それでも未成年にはまだまだ甘い感じがしますね・・・。
ですが、未成年でも死刑判決がでたこともあるので、この事件だけが特別というわけではありません。
という訳で今回のまとめ
- 石巻3人殺傷事件は2010年に石巻市で発生した事件
- 犯行当時未成年(18歳)の元交際相手を巡るトラブル
- 犯人は千葉雄太郎とその共犯者
- 元交際相手の姉と友人を牛刀で殺害
- 現場の知人の男性も大怪我
- 元交際相手を誘拐監禁(保護されている)
- 共犯者にすべての罪を擦り付けようとしていた
- 裁判はすべて死刑判決となる